バースからオックスフォードへ、博物館という器の旅

糸を旅する

英国・テキスタイルの歴史と今(中編)

文・写真/ひろいのぶこ

ストーン・ヘンジから始まった車の旅は、日本と同じ左側通行だから大助かり。車は少ないが道が狭くカーブしているのに、皆スピードを出す。交差点ではなくロータリーなので、曲がるタイミングは難しい。隣に優秀なナビゲーターがいても、2周目で脱出できれば上等である。

バースにあるローマ人が造った浴場

バースにあるローマ人が造った浴場

英国唯一の温泉保養地バースは、ロンドンから西へ200kmほどのところにある。地中海からやってきたローマ人は、BC1世紀頃この地にローマン式浴場を造り、今なおそれを見ることができる。

絹織物と化粧

日本の絹織物で仕立てられたドレス(左)とローマ時代の化粧に使われた油脂(右)

ローマ風貴婦人にになりきった女性が浴場の回廊で、当時の化粧法を見せてくれる。その地下は蟻の巣のようにひろがる遺跡で、そのまま博物館である。

町にはアートやデザイン専攻のある大学や、ファッションミュージアムもある。かつての上流階級の衣服や、映画に使われた衣装が並ぶ中、日本の絹織物を用いたドレスも見られる。(往時のファッションを試着するコーナーも楽しめる)