シュールストレミングとザリガニ スウェーデンの夏を締めくくる珍味
クラフト自由帖
“世界一”の食べ物は缶を開けるときから楽しい…?!
さて一方、8月の第3木曜日に解禁を迎えるシュールストレミング。世界一臭い食べ物として名高い、缶詰で発酵させたニシンは、日本でも周知され始めてはいますが、実際に食したことのある人は多くないと思いますし、味の想像も難しいかと思われます。
その実、スウェーデンでもだれもが知っている食材でありながら、その臭さゆえ、そして、もともとスウェーデン北部の地域食であったことから、だれもが食べたことがある食材ではないのです。とんでもなく臭いから、室内で食べては絶対ダメ、賃貸契約書によってはシュールストレミングを食べることを禁止する事項があるのだと、私も噂だけは耳にするものの、ようやく口にできたのはスウェーデンに来てから5年目の夏でした。
結論から申し上げますと、シュールストレミング、匂いについては本当に期待を裏切らない臭さでした。形容しがたい匂いをあえて形容するなら、魚や卵が腐ったような感じ。しかし、これを楽しみにして食する人たちがいるのも、なんとなくわかってしまったというのが感想でした。