糸を旅する

繊細なボビン・レース、そして産業革命の重み

糸を旅する

2012年8月初旬の2週間、テキスタイルの仲間3人で英国を旅した。 ロンドンから西へ140キロのソールズベリーという小さな町を起点に、レンタカーで各地のテキスタイル・ミュージアムを訪ねるというのが今回の目的である。

ソールズベリーの街並み
ソールズベリーは小さな町

この町はストーンヘンジ(BC2500~2000年頃に作られた巨大ストーン・サークル)という遺跡で有名だ。夏といってもすぐに時雨れるのは英国ならでは、傘と防風ジャケットは欠かせない。かつては近所の子供たちは巨石に登って遊んだというが、今では遠くに眺めつつ遊歩道に沿って歩く。どこにも説明板は目に入らないが、音声ガイドを耳に当て、説明を聞きながら進んでいく。

ストーンヘンジ
ストーンヘンジの巨石群

最近でこそ、日本の観光地では周囲の景観に配慮して公共建築の色や形を考えはじめたが、ここではカフェやトイレ、駐車場は窪地に目立たないように作られている。だから遺跡とその風景を心ゆくまで味わうことができる

そこにあったショップで思わず写真を撮ったのはリサイクル糸による膝掛けで、糸使いが巧みだ。

ひざ掛け
ショップに並んでいるリサイクルウールのひざ掛け