艶やかな椿の花色で春を感じて

体験 REPORT

体験レポート おうちで染色!艶やかな椿の花色で春を感じて

寒さも和らぐころ散歩をしていると、椿の周りに花がたくさん落ちているのを目にすることはありませんか。

赤い花びらに黄色い花蕊(かずい)の椿は特に華やかで、厳しい冬を耐えた力強さ、花のまま散る潔さが心に響きます。椿は鳥媒花(ちょうばいか)で、春先にはメジロが花から花へと舞う光景も見られます。

「赤い椿白い椿と落ちにけり」。

河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)の俳句に、美しい印象はいつの世も同じであると感じます。

そんな椿の花を拾い集めて、糸を染めてみました。花びらの色素は熱に弱いので、水とクエン酸で色素を抽出するというやり方もありますが、今回は花を煮る方法で染色してみました。作業中はどうなるかと不安もありましたが、染液は美しい紅椿の色で、糸は淡い紅色に染められました。

白い糸が温かな色に変化すると、気持ちもパッと明るくなります。春の花 〝椿〟の花の色を糸へ。美しい色に出会える豊かな時間となりました。