知っておきたい「紡毛糸」のこと　3

糸と手しごとファイル

無数の針の付いたローラーで１本１本の繊維を引き伸ばし、分離・混合・解毛して、同じ厚さのウエップ（毛膜）にする。これを均等に分割、よく揉んで「篠」を作る。

◆ミュール精紡

・「撚り」と「引き伸ばし」を同時に行う

・「細番手」の糸を紡ぐのに用いられる

◆リング精紡

・「撚り」と「引き伸ばし」を別々に行う

・「太番手」の糸に用いられる

原毛の付着物などを取り除き、太いひも状にしたトップを作る。

羊毛に付着している草などの植物性物質を化学処理で取り除く。

紡績に適した繊維長さにするために、トップを1～5インチ（2.54～12.7cm）にカットする。

杢糸などは、紡績前の「バラ毛」の状態で染められる。染色機はオーバーマイヤー社（ドイツ）製が有名で、現場では「オーバーマイヤー」が一般名詞のように使われている。

シリーズ最後『知っておきたい「紡毛糸」のこと 4』では「撚糸」「染色」についてふれます。

vol.65　2018・春号より