綿の実

日本に根付き、実を結んだ「和綿」を次代へ

素材のはなし

諸国の土壌が育てた「和綿」 

日本の綿栽培は戦国時代、諸国に広がりました。主な産地は三河・知多・松阪・また河内・泉州など大阪南部、さらに関東でも栃木や千葉など、それぞれの土地で、それぞれの特色をもった「和綿」が育てられ、それを使ったさまざまな綿織物が作られるようになりました。

庶民の絹の着用が禁じられた江戸時代、栽培が盛んになることで綿の価格も下がって、綿織物が広く普及していったのです。

綿糸は、花が咲いたあと、朔果(さくか)がはじけて現れるふわふわのコットンボールから種子を取った「繰り綿」を打ち、繊維を軟らかくして方向を整えた「篠巻き」を紡いで作ります。