錦秋につやめく「シルク」の魅力
糸と手しごとファイル素材のはなし
非常に長いシルクの歴史。各時代に品種改良が重ねられたため、カイコにはおびただしい数の種類があり、現在、日本の研究機関で保存されているだけでも1000系統以上になるそうです。
例えば、皇后さまが皇居内の御養蚕所でお世話をされている「小石丸」という日本の純粋種。これに海外種を掛け合わせて「新小石丸」という種が作られました。
新小石丸は節がなく細い繊維がとれるのが特徴。
現在の日本の養蚕でポピュラーな 「錦秋×錦和」や「春嶺×鐘月」なども、その名のとおり交配種。「富岡製糸場」のある“絹の国”・群馬で生み出された白色度の高い「ぐんま200」も、二つの系統を掛け合せたものです。
こうした屋内で飼われるカイコ(家蚕)に加え、世界各地には野生の繭から繊維をとった「ワイルドシルク」(野蚕)も数多く存在します。
繭の大きさ、かたち、色、それに繊維の太さや質もさまざま。その個性を生かし、多様なシルク系が作られています。