錦秋につやめく「シルク」の魅力
糸と手しごとファイル素材のはなし
手しごとにフンワリ
やさしい「スパンシルク」
紬糸同様、くず繭や生糸をとった後の残り繭(ビス)、また生糸の製紙工程の中で出る副産物(キビソ)などを原料とするのが「スパンシルク」(絹紡糸)です。
スパンシルクは、繭から引いた長繊維をそのまま糸にする生糸とは違い、繭玉などの原料をカットして短繊維にし、紡毛糸やコットン糸と同じように「紡績」の工程を経て製造されます。
ほかの繊維素材との混紡に用いられるのも、この短く裁断されたシルク繊維です。
短繊維を紡ぐスパンシルクは、強度を確保するのにある程度の太さが必要となります。そのため生糸のような細い糸を作るのは難しく、またフィラメントを裁断するので、光沢も薄らぎます。
しかし生糸にはない、ふんわり感のある糸ができます。製糸の副産物を利用することで、コストを抑えられることもあり、いろんな製品に使われています。