最近、ほとんどの糸は巻いた状態で売られているので、すぐに編み始められて便利です。このような玉巻きの糸が一般的になったのはいつごろかよく覚えていませんが、昔は（ざっくりすぎますが）〝かせ〟になっていたので、一度巻く必要がありました。私の母は、大工さんに注文をしてかせくり機を作ってもらっていました。今売られているかせくり機と違って台に棒を立て、そこに風車のように回るパーツを付け、かせ糸をかけて回して糸玉にしたり、機械編みの場合は箱にふんわり糸を貯めたりしていました。

しかし時々は私の手に糸をかけて糸を巻くこともありました。この糸を巻くという作業、ある方に伺った話ですが、女子学生たちに糸を巻かせたら、いつまでも同じ方向に巻くのでいっこうに玉にならなかったとのこと。腕に糸をかけることも糸を玉に巻くことも今は昔？　ニットファンならそんなこともないのですが…。