『ぐるーぷ虹』の合言葉は「メンバー全員がデザインから摺り上げるまで、できるだけ携わる」。

この「できるだけ」というのが大切。「私は学生時代から美術が苦手で。でも摺るのは楽しくてね。デザインはしてないの」という方もいらっしゃれば、「アイデアを出すのが年々大変になってきたわ」と言いながらもデザイン案を毎年のように出している方も。

活動開始の45年前、30代だったメンバーたちも今は70代後半。その間、子育てや介護など、製作に費やせる時間を常に確保できたわけではなかったはず。この「できるだけ」というスタンスが、活動を長く続けられた秘訣なのでしょう。

そして「楽しいから続いた」というメンバーの言葉のとおり、クラスメイトとの製作はメンバーにとってかけがえのない時間のようです。

午前中の作業を終えて、お昼の時間になると緊張していた現場が一気になごみ、おしゃべりが始まりました。授業が終わって休み時間になったとたん、にぎやかになる教室のような空気が漂っていました。

『ぐるーぷ』虹のカードは銀座教文館、ＪＭショップ（「明日館」敷地内）等で販売されています。

 

神谷　珠子　Tamako Kamiya
プロフィール

スウェーデンのテキスタイル専門学校で学び、現地の工房に勤務。その期間と2011年夏にも、へレーナ・ハンマルクさんのタペストリ―制作に携わる。現在、自由学園生活工芸研究所(東京)勤務。

vol.82　2022・夏号より