手づくりの携帯ソーイングセット
林ことみのハンドメイドNavi
切れ味の良い木屋のハサミがお気に入り
私が初めてソーイングセットを携帯したのは大学時代のこと。当時の愛読雑誌「装苑」に、手作りソーイング用具を整理する袋やミニニードルブックが紹介されていました。このミニニードルブックを応用して、切りっぱなしで出来上がりという、うれしい素材のフェルトでソーイングセットを作ってみました。
それを結局20年近く使った記憶があります。就職しても毎日持って行っていたので職場でも結構役に立ちました。
しかしここで問題なのは、小さなハサミです。販売されているセットや何かで手に入れた小さなハサミを使っていましたが、切れ味が悪く、これが不満でした。あるとき老舗の刃物店「木屋(きや)」で小さな握りバサミを見つけ、それ以来セットは作り替えても常にこのハサミを入れています。
十数年前、北欧でうっかりソーイングセットを機内持ち込みしたことがあり、手荷物検査でチェックが入りました。ソーイングセットを開けてこの握りバサミを見せても「それではない」というので、海外の人にはハサミと認識されないのかしら、と不思議でした。このときチェックされたのは、全く忘れていた小さな手芸バサミであることがわかりました。