知っておきたい「紡毛糸」のこと 1
糸と手しごとファイル
手織り・手編みを楽しむ人の知っておきたい「紡毛糸」のこと
手織り・手編みに欠かせない「糸」。その1本1本の糸の個性を知れば知るほどワクワク、興味が深まり、創作の幅も広げてくれます。そんな「糸」についてのあれこれを紹介する新コーナー、第1回のテーマは、毛糸といえば“これ!”「紡毛糸」についてのおはなしです。
“ふんわり”が魅力の「紡毛糸」
同じ「ウール100%」でも表情の違う糸
ふんわりとした風合いの毛糸らしい毛糸、ツルっとした感触の毛糸らしからぬ毛糸…。同じ原料―例えばどちらも「ウール100%」の表示なのに、糸の種類によって違いがあります。それはなぜだかご存じですか?
糸の違いの理由はまず、原毛の違い。世界各地で飼育されているヒツジは千種類を超すともいわれています。毛が細く柔らかい感触の「メリノ」、「リンカーン」「コリデール」などの長毛種、白黒の柄のある「ジャコブ」など、毛の質はヒツジの種類によって異なります。さらに同じ種類のヒツジでも、刈り取る部位によって毛の長さが違います。
それを原料にして糸を作る際には、繊維長に応じて紡績の方法も変えるため、いろんな表情の糸ができるのです。