知っておきたい「紡毛糸」のこと 4
糸と手しごとファイル
「撚糸」「染色」でバリエーションが広がる
糸の質感や重量を決める「撚糸」
精紡された糸(原糸)を、撚り合わせる作業を「撚糸」といいます。撚糸をすることで、用途に適した強度を与えたり、表情を変えたり。この同じ紡毛糸、しかも太さも同じぐらいであっても、1本の糸でできた「単糸」、2本を撚り合わせた「双糸」、3本撚りの「三子糸」では、いろんな違いが生まれます。
最も素材感が際立つのは単糸で、軽さの面でもいちばん。ただし単糸は撚りが一方向なので、その影響からニットにすると「斜行」が表れる場合があります。
双糸は素材感を生かしつつ、2本の糸を撚り合わせることで斜行も解消されるため、ニット・織りを問わず幅広く使われています。編み地のツラがきれいに整うのは三子で、引きにも強い糸になります。