卵の殻を使ったバイオマスプラスチックのボタン

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さまざまなプラスチックボタン

「ボタン」という名前の由来は、ポルトガル語で「花のつぼみ」を意味する言葉が有力とされています。人類は紀元前の昔から、動物の骨や植物など自然素材を布の留め具として用いていたようです。ルネッサンス期以降のヨーロッパでは、真珠やサンゴ、金・銀など贅を尽くした素材、あるいはモザイクやエナメルなどを施したボタンが次々登場し、豪華な衣装を飾りました。

現代のような実用的なボタンが広く使われるようになったのは、19世紀。その後、新しく開発されたさまざまな合成樹脂を使って、大小・色とりどりのボタンがつくられてきました。その、おもな素材の誕生時期や特徴を見てみましょう。

◆セルロイド
1856年にイギリスで誕生した、世界初の人工樹脂。その後、アメリカで象牙の代替素材として実用化され、ボタンにも使用されるようになりました。ただし非常に燃えやすい素材なので、現在見かけるべっ甲柄のセルロイド風のボタンは、他のプラスチックに置き換えられているようです。

◆カゼイン樹脂
誕生は19世紀の終わり。ミルク由来のタンパク質「カゼイン」を原料に用いたプラスチックなので、別名は「ミルクプラスチック」、この素材から作られたボタンは「ラクト(乳)ボタン」と呼ばれました。