ユネスコ無形文化遺産・チェコの藍染めその歴史と技と愛らしい柄を “知る”
鑑賞レポート
チェコに根差しはぐくまれた藍染め文化
中欧の国・チェコ伝統の藍染めは、現 地で「モドロティスク」 (Modrotisk)と 呼ばれます。中欧で藍染めと聞き、「藍 染めは日本独自の文化では?」と、不思 議な感覚になる方も多いでしょう。
小川さんもチェコでの暮らしで偶然目にした藍染めに「なぜアジアの布が?」という驚きと、異国の地で懐かしい雰囲気を持つその布に親しみを感じ、励まされたそうです。
青に染める色素は「インジゴ」。それを含んだ植物は世界各地にあり、土地ごとに、藍染め文化が受け継がれてきました。
そのなかで、安価でよく染まるインド藍が流通するようになると、ヨーロッパの藍染めに大きな変革をもたらします。チェコに伝わる〝青いプリント〟モドロティスクも17世紀、ヨーロッパに伝わったインド藍を染料とする、木版による防染技法によるもの。
チェコでは18世紀に藍染めが伝わり貴族階級や教会で広まりました。このころの柄は近隣諸国で流行ったモチーフが主流となっていたそうです。