藍染

ユネスコ無形文化遺産・チェコの藍染めその歴史と技と愛らしい柄を “知る”

鑑賞レポート

18世紀末には富裕層から農村部へ、藍染めが手に届くようになりました。そして暮らしの中にある物や自然、動物などをモチーフとする、チェコ独特の動きのある柄が誕生。

チェコでは亜麻や大 麻の栽培が盛んで、中世以降、織物産業が発展。そうした背景とも密接に関係し、藍染めは最盛期を迎えたのです。

その伝統のパターンが現在へと受け継がれてきたのです。 

木型

伝統の技法で染め出す 物語を感じさせる柄

チェコの木版には、梨やアンズなど堅 い木が用いられ、木工職人によって模様 が彫られます。この木版に防染糊をつけ、布に型押しをします。型がずれないように押すには長い修業が必要とされる難しい作業です。 

これを藍がめに何度も繰り返し浸すことで、白く抜ける木版の模様と濃い藍色のコントラストが美しい布へと仕上がります。そのコントラストが、「夜の海に落ちた無数の星」と言われる所以。

藍は固形のインド藍を還元して染料と し、糊の主な材料はカオリン粘土(磁器などに用いられる素材)、アラビアゴ ム、水で、詳しくは各工房の秘伝となっ ています。 

モチーフは、花や実、鹿、狩りをする人や果実を収穫する人など。何か物語が ありそうにも見え、とても楽しげです。