産業革命からアーツ&クラフツ運動へ

糸を旅する

自身が試織していたというのも私には興味深く、この運動に柳宗悦や富本憲吉らが影響されたのもうなずけよう。

生活と美の一致というモリスの思想は、アール・ヌーボーや1903年設立のウィーン工房となって、20世紀の芸術性と経済の両立をめざすブランド企業へと進展する。

そのウィーン工房から京都へやってきたのが建築家・上野伊三郎の妻リチ(1893~1967)で、二人は戦後、京都市立美術大学の工芸科図案専攻の教授となり、またインターナショナルデザイン研究所を開設する。