知っておきたい「紡毛糸」のこと 1

糸と手しごとファイル

紡毛糸 カード
ソフィアウールに差し替え

毛羽が少なく指ざわりのなめらかな質感は、長繊維に適した「梳毛(そもう)」(ウーステッド)という方法を用いて紡いだ糸の特徴。梳毛紡績は、原毛を掻いてまとめる「カード」と「コーマ」(comb、「櫛」の意)という2つの工程で、繊維が一方向にそろうように梳き整えて糸を紡ぐという方法です。

コーマを行うことで「ネップ」や「スラブ」など、糸の〝節〟の発生につながる短繊維も物理的に取り除かれて、質感が均一に整った〝毛糸らしからぬ〟クールな印象の糸になるのです。  

これに対し、短い繊維の原毛を紡いだウール糸が今回の主役、「紡毛糸」です。