「糸を染める」ということ~その成り立ちと基本工程~ 

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「染料」と「顔料」の違い

「染色」とは、繊維に色素を浸透させて着色する技術のこと。そのために使われるのが、色素を含んだ「染料」。水に溶けず布や紙などの表面に付着させることで着色する「顔料」と違い、染料は水に溶け、繊維の中にまでしみ込んで透明感のある美しい色を発色させることができます。
古くは、植物を布にすりつけて色を着ける「花ずり」「草ずり」が行われていましたが、染料をすりこむだけでは色落ちしたり、思ったように発色させることができなかったり。そこで堅牢度を高め美しく染めるために、人々は長い歳月、試行錯誤を重ねて、現在に至る染色技法をあみ出したのです。