「糸を染める」ということ~その成り立ちと基本工程~ 

PICK UP!

素材別 精錬のしかた

・コットン糸
コットン繊維には約4~5%の不純物が含まれています。これを取り除くために、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)を溶かした液や石鹸水などで煮沸します。

 ・麻糸
リネンなどの麻糸の精錬はコットンの方法と同様。ただし市販されている麻糸の多くは、精錬済みで、漂白されているものもあります。

・ウール糸
羊から刈り取った原毛は多量の不純物を含んでいるため、精錬したうえで紡績をします。その工程で与えられた油類を除き、黄味がかった色になった糸を白くするために、石鹸または炭酸ソーダを溶かしたぬるま湯に漬け、30~40℃を保ちながら精錬します。

・シルク糸
繭から引きだしたままの生糸の表面は、硬い「セリシン」というたんぱく質に覆われています。これを除くために石鹸または重曹などを用いて精錬します。少量の場合は、麻袋など目の粗い袋に入れて精錬すると糸の傷みが抑えられます。セリシンを除くと黄味がかった色も消えて、真っ白な糸になります。