日本の編み目記号の基礎をつくった「江藤春代」という女性 〈前編〉

林ことみのハンドメイドNavi

激動期を生き抜く術として編み物スキルの普及に努める

年表に沿って、江藤春代の履歴を簡単にご紹介しましょう。

明治時代の江藤春代

明治4年に行われた廃藩置県は大黒柱の職を奪い、女性の自立のきっかけを作りましたが、彼女の人生はこの時代背景とリンクしています。父を早く亡くし、生活のために裁縫を教える家塾を始めた母親を見て育った春代。自身もまた若くして未亡人となり、生活のために裁縫や編み物のスキルが助けとなったことが、その後の研究所や学校創立の原動力となっていると感じました。

明治から大正時代の江藤春代

明治時代には日露戦争、大正時代には関東大震災、昭和に入れば日中戦争・第二次大戦と、激しい環境の中、多くの女性たちも生活のために働かなくてはいけなかった時代。

江藤春代 は、編み物が生きる術として女性たちに必要であるという考えから、編み物の普及に努めたのです。