日本の編み目記号の基礎をつくった「江藤春代」という女性 〈前編〉

林ことみのハンドメイドNavi

こんにちの「編み目記号」に通じる「合理的符号」

大正から昭和時代の江藤春代

江藤春代 の活動の中で、特に大きな功績は「合理的符号」を作ったことではないでしょうか。

アメリカのニット本「CHARTED KNITTING DESIGNS」(1972年刊)で、著者のバーバラ・G・ウォーカーは

「編み方を記号で表す方法は、ヨーロッパや日本では何年も使われてきたが、アメリカではまだ知られていない」

と書いていました。それで江藤春代はヨーロッパの本を参考にしたのかと思い、北川ケイさんにお尋ねしたところ、江藤春代はドイツから編み物レシピを取り寄せていたらしいとのこと。1921年にはすでにドイツの出版物に記号が載っていたそうなので、その記号を元に考案したのでしょう。

北川ケイさんの記述によると、当時日本で他にも記号を考えていた人もいて、雑誌によって、まちまちだったそうです。