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毛糸選びに失敗しない!毛糸の種類4つのチェックポイント

糸のこと

2018/05/02

毛糸選びに失敗しない!毛糸の種類4つのチェックポイント

 

「こんなものが編みたい」「織りたい」そう思ってお店やインターネットで毛糸を探してみると、星の数ほどの毛糸が並んでいます。その中のどの種類が「自分の作りたいもの」にぴったりの毛糸か、判断にお困りになることはありませんか?また、とりあえず色や太さで選んで買ったものの“しまった!”と感じたご経験は?
 
毛糸は「原料」「紡績」をはじめ、いろんな角度から種類分けができます。毛糸選びに失敗しないコツはずばり、その種類ごとの特徴を押さえておくこと。そこで今日は、ご自分の「編みたいもの・織りたいもの」にピッタリの糸を選び出すときにお役立ていただきたい、毛糸の見極めポイントをご紹介していきます。

 

毛糸選びはまず「感触」と「原料」をチェック

 

◆いろんな羊毛をブレンドした毛糸

 

毛糸のおもな素材は「ウール」、つまり羊の毛。これは皆さんご存じでしょう。でも、例えば同じ「ウール100%」で同じぐらいの太さの糸であっても、感触は微妙に、あるいは大きく違っていることがよくあります。この違いを生む一つ目の理由が、その毛糸に使われている「原料」にあります。
 
世界中で飼育されている羊の種類は1,000とも3,000とも言われ、その種類ごとに羊毛にも個性があります。しかも同じ種類の羊であっても、飼育環境によって毛質は変わりますし、赤ちゃん羊とおとなの羊では大きな差があります。
 
さらに一頭の羊でも、毛を刈り取る部位によっては毛の長さや質はバラバラ…。市販されている毛糸の原料は、こうしたさまざまな羊の、さまざまな部位から刈り取った羊毛をブレンドしたものが大半。

その原料の特徴が糸の感触や表情となって表れるのです。その毛糸がどんな個性を持っているかは、自分の目で見て、手で触れて確かめるのが第一歩。店頭で、あるいは糸見本を取り寄せるなどできるだけ現物に触れて、選ぶ毛糸の候補を絞っていきましょう。

 

◆羊の種類が変われば糸も変わる

 

一つの種類の羊毛だけを用いた毛糸も、数は少ないながら商品化されています。お値段高めの贅沢な毛糸ですが、その種類ならではの特色が際立ちます。ここで羊の種類と毛質の特徴をいくつかご紹介しましょう。

 

羊の種類が変われば糸も変わる

 

メリノ
世界各地で飼育される、細くてしなやかな毛を産出する羊。なかでもオーストラリア・メリノは非常に質が高く、衣料にもよく用いられています。
 
ロムニー
ニュージーランドで盛んに飼育されている長毛種。カーペットを織るための太番手の糸を紡ぐのによく用いられています。
 
コリデール
メリノと長毛種の「リンカーン」を掛け合わせて誕生した交配種で、日本で見かける羊の多くがこの種類。その繊維は手編み毛糸にも適しています。
 
シェットランドシープ
編み物の聖地、イギリス・シェットランド諸島原産の羊。白・黒・グレーや赤味がかった茶色など、バリエーション豊かな毛色が特徴です。

 

◆バリエーション豊かな混紡糸

 

ウールという素材の長所は温かく、吸水性に優れているところ。それに他の素材を混ぜた「混紡」の毛糸もよく見かけます。混紡をする目的は、それぞれの繊維の“良いとこ取り”をすること。ウールオンリーでは出せないような質感を加えたり、糸の強度を上げたり、軽くしたり、また安価な繊維を使うことで価格を抑えたり、バリエーション豊かな毛糸を作ることができます。
 

バリエーション豊かな混紡糸

 

ウールとの混紡でよく使われる素材としては、次のような種類があります。混紡される素材の特徴を把握しておくと、どんな特徴をもった毛糸かを判断する目安にもなるので、ぜひ覚えておいてください。
 
カシミヤ
カシミヤ山羊は冬場、表面を覆う剛毛の下に、柔らかく暖かなうぶ毛をたっぷりと蓄えて、厳しい寒さを凌ぎます。そして春になり、暖かさが戻るころ自然に抜け落ちる冬毛が繊維素材として珍重されてきました。
 
しっとりと肌になじむカシミヤ。その感触のヒミツは、繊維の平均直径が15ミクロン程度(通常の羊毛は19ミクロン以上)と細く、表面のキューティクルの凹凸が少ないことにあります。ウールと混紡することで、毛糸にカシミヤ特有のぬめるような質感を加えることができます。
 
アルパカ
南米原産、アンデスの高原で飼育されてきたアルパカの毛は、肌ざわりが良く、軽さ・暖かさにもすぐれた素材。繊細なカシミヤに比べると繊維は太くなるので、耐久性ではアルパカ混の毛糸がまさります。
 
モヘヤ
ふわふわの感触とシルクを思わせる光沢が、モヘヤの魅力です。モヘヤは「アンゴラ山羊」の毛で、第一産出国はアメリカ(テキサス産)。またアンゴラ山羊の原産国・トルコのモヘヤも高品質なことで知られます。ちなみに「アンゴラ」と呼ばれているのは「アンゴラウサギ」の毛です。

シルク・コットン
光沢のあるシルク(絹)も、ウールとの混紡によく使われます。また通気性の良いコットン(綿)との混紡糸は、春用アイテムによく利用されています。
 
合成繊維
軽さがメリットのアクリルやナイロン、強度のあるポリエステル。いろんな合成繊維を混紡して、いろんな種類の毛糸が作られています。

 

「毛糸らしい毛糸」と「毛糸っぽくない毛糸」

 

◆繊維の長さで紡績法が異なる

 

素材は同じウール100%、番手(太さ)も同じぐらい。なのに、フワフワとした質感の「毛糸らしい毛糸」と、ツルっとした感触の「毛糸らしからぬ毛糸」…。この「質感」の違いが、毛糸選びの二つ目のチェックポイントです。
 
質感の違いを生むわけ、それは原料の繊維の長さと、それに適した紡績法(糸の紡ぎ方)の違いにあります。「毛糸らしい毛糸」ができるのは、短い繊維を紡ぐのに適している「紡毛(ぼうもう)紡績」。これに対し、「毛糸らしからぬ毛糸」は、長い繊維を紡ぐのに適した「梳毛(そもう)紡績」で作られた毛糸の特徴です。
 
2つのグループにはそれぞれに適した用途があります。ただし、ふつう商品に紡績法は表示されていないので、ご自分で違いを見極めて選び出せるよう、それぞれの種類の特徴を知っておいてください。

 

◆紡毛糸・梳毛糸の特徴

 

羊毛を綿状にして紡ぐ紡毛糸
 
紡毛紡績は、短い繊維同士を絡み合わせて綿状にし、それを細く引き伸ばしながら撚りをかけて糸にする方法。繊維の間には空気もたっぷり含まれているので、フワっとエアリーな毛糸らしい毛糸になります。

 

紡毛糸・梳毛糸の特徴

 

羊毛を梳きそろえて紡ぐ梳毛糸
 
長い繊維を繰り返し梳くことで一方向にそろえて紡ぐ梳毛糸。糸を梳く工程で、混ざり込んでいる短繊維もきれいに取り除かれるため、毛羽立ちが少なく、クールな印象の毛糸ができます。

 

◆紡毛糸・梳毛糸の用途

 

紡毛糸:短繊維の特徴を生かす
 
紡毛糸は生地を縮絨させると、驚くほど素晴らしい感触になる「化ける糸」ともいわれます。これは繊維が複雑に絡み合った紡毛糸ならではの魅力です。紡毛糸は、手編み・手織りに幅広く使えます。さらに二次加工として織り地・編み地の表面を掻いて起毛させるのにも適しています。
 
また〝羊の島〟フェア島で伝えられてきた「フェアアイルニット」には、編み地に「切りしろ」を作ってハサミを入れる「スティーク」という技法があります。これも、紡毛糸ならではの繊維の絡みを生かしたテクニックです。

 

梳毛糸:クールな質感を生かす
 
羊毛をきれいに梳きそろえて糸にした梳毛糸は、期待どおりの仕上がりをかなえてくれる糸。言うなれば「優等生な糸」です。梳毛糸は冬用アイテムだけでなく、アパレル業界では「サマーウール」として夏用スーツの生地にも用いられています。表面が整ったツルンとした質感を生かして、薄手のセーターやレーシーなストールなど、合いもののアイテムにもおススメです。

 

単糸・双糸・三子糸の違いに注目

 

◆寄り合わせる「本数」で糸が変わる

 

紡績した糸(原糸)を撚り合わせることを「撚糸」といいます。撚り合わせをしない、1本だけの糸は「単糸」。2本の糸を撚り合わせたものは「双糸」。3本撚りは「三子糸(みこいと)」。それ以上の本数を撚り合わせた「四子(よっこ)」「五子(ごこ)」…。さらに双糸や三子糸を撚り合わせるなどして、多様な毛糸が作られています。

この撚り合わせの「本数」によって糸の強度はもちろん、風合いも変わってくるので、チェックしたいポイントの一つです。

 

単糸・双糸・三子糸の違いに注目

 

◆毛番と撚糸の表記

 

毛糸の場合、糸の太さは「1000グラム=1000メートル」を「1番」とする「毛番」が用いられ、次のように表記されます。
20番単糸  →  1/20
20番双糸  →  2/20
20番五子の3本撚り  →  3/5/20

 

◆単糸・双糸・三子糸の違い

 

毛糸の強度や重さは、単糸より双糸、双糸より三子…と、数に比例して増していくのはご理解いただけると思います。では、ある1種類の単糸と、それと同じぐらいの太さに撚り合わせた双糸・三子糸とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
 
素材感が最も際立つのは単糸。「軽さ」の面でもいちばんです。ただし単糸をニットに使う場合、編み地が斜めにゆがむ「斜行」が表れる場合があります。斜行が出るか出ないかは、糸を見るだけでは判断しづらいので、選ぶ前にぜひお店の人に尋ねてみてください。
 
双糸は素材感を生かしつつ、斜行も解消されるよう調整されている場合が多いので、ニット・織りを問わず幅広く使われています。単糸に比べて重くなるものの、編み地・織り地のツラがきれいに整うのは三子。強度を要するものにも適しています。

 

「編み糸」と「織り糸」の違いって?

 

◆コシの強さを確かめる

 

「この毛糸はニット用?手織り用?」と、迷われることはありませんか?
 
大量生産されるアパレル製品の糸などは、ニット用(甘撚)、織物用(中撚)、特殊な編み・織物(強撚)と、用途によって撚り数を変えて作られるようです。
 
一方、市販の毛糸で「強撚」というほど強い撚りをかけたものは少数派。織り用・ニット用と厳密に区別することなく使える毛糸がほとんどです。ただし、撚りの強弱によって糸の特徴は変化するので、やはりチェックしておきたいところです。
 

毛糸はコシの強さを確かめる

 

その撚りの強さの目安となるのが、糸のコシ。撚り数が少ないほど素材感を生かした柔らかな糸になり、撚り数が多くなるにつれコシが強く、シャリ感が出てきます。

ふんわりマフラーを編むか、ハリのあるセーターを編み上げたいか、あるいはタペストリーを織るのか…。作りたいもののイメージと、毛糸のコシの強さのすり合わせをして、「これ!」という毛糸を選び出しましょう。

 

◆撚りの「方向」で編み物がラクになる?!

 

糸の撚りは、図のように右撚りと左撚りがあり、それぞれ「S撚り」「Z撚り」と呼ばれます。一般に、棒針で編みやすいのは「S撚り」の糸。かぎ針編みなら「Z撚り」の糸といわれます。もし「なんだか編みづらいな…」と感じるようであれば、次の毛糸選びをする際には、糸をしっかり観察し、撚りの「方向」を確認してみてください。

 

撚りの「方向」で編み物がラクになる

 

まとめ

 

① 原料
② 紡績法
③ 撚り合わせの本数
④ 撚り数・撚りの方向

 

以上が、毛糸選びに失敗しないための4つのポイントです。
 
これまであまり意識していなかったところにも注目してみると、それぞれの毛糸の「個性」がより鮮明に浮かび上がってくるでしょう。そしてきっと毛糸選びがスムーズに、楽しくなるはずです。
また今回、各項目でご紹介した毛糸の用途は、ほんの一部。たとえば斜行の出る糸でも、引きそろえて編めばOK…など、どんな毛糸でも、工夫次第でいかようにも使うことができます。

毛糸を知り、もっともっと毛糸に親しんで、いろんな創作・表現に生かしてください。

 

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